AB98-30B

12ビット4ch A/D変換ボード

製品の概要と特長

製品仕様

入出力回路の構成と機能

ボードアドレスの設定

変換の高速化

外部との接続

変換データの取り込み


製品の概要と特長

NECパーソナルコンピュータPC-9800シリーズ用の4チャンネルA/D変換ボードです。4チャンネルまでのアナログ電圧を12ビットの分解能で高速に取り込む事が可能です。また、必要に応じて8ビット精度で取り込むことも可能です。この時は、より高速の変換が可能になります。また、1チャンネルか2チャンネルしか使用しない場合も以外と多いもの、そのような方のために入力を4チャンネルまでにしぼり、思いきり低価格化を実現しました。

主な特長
  1. 入力を4チャンネルまでとし、超低価格としました。
  2. 逐次変換方式のA/D変換LSIを採用。変換時間は25μS(注1)と高速です。
  3. 標準分解能は12ビットですが、分解能8ビット(ショートサイクル) とすることでより高速なA/D変換が可能となります。
  4. アナログマルチプレクサにより、4チャンネルの入力切り換えが可能です。
  5. 16ビットフルデコードのアドレス・デコード回路によりPC-9801の限られた I/O空間を有効に利用出来ます。
  6. RCAプラグ入力で各チャンネル独立に同軸ケーブルで接続できます。

   注1 A/D 変換LSIの変換時間です。

AB98-30Bの写真


製品仕様

A/D変換方式:逐次変換方式
A/D変換分解能:12ビット/8ビット(ソフト切換え)
A/D変換速度:25μs(MAX),8ビット時15μs(TYP) 注2
入力チャンネル数:4チャンネル
入力方式:シングルエンド(全グランド共通)
入力インピーダンス:1MΩ(min)
入力電圧範囲:±5V
入力最大電圧:±30V
オフセット温度ドリフト:±45ppm/℃(max)
ゲイン温度ドリフト:±10ppm/℃(max)
変換コード:オフセットバイナリ
対応機種:日本電気製PC-9800シリーズ及びその互換機
バス形式:PC-9801 拡張バス準拠
占有アドレス:8ビットポート4アドレス(奇数,偶数)
又は、16ビットポート2アドレス(連続)
電源電圧/消費電流:+5V 0.5A(MAX) 、-12V 40mA(MAX)
使用温度範囲:10〜35℃
保存温度範囲:0〜75℃

注2 ショートサイクル時A/Dがスタートし終了するまでの平均値です
   チャンネルセレクト、取り込み時間は含みません。


入力回路の構成と機能

コネクタから入力されたアナログ信号は2つに分かれ、一方は2MΩの抵抗でGNDに接続され、もう一方は入力保護抵抗を介してアナログ・マルチプレクサに接続されます。マルチプレクサでは、チャンネル・レジスタで選択された入力信号がバッファアンプを通ってA/Dコンバ-タに入力されます。

4チャンネルの入力はそれぞれにGNDラインをもつRCAジャック入力で、同軸ケーブルで接続します。
入力電圧は-5V〜+4.9976Vまで、この電圧を超えたものは最大値(FFFH)または、最小値(0H)となります。また、入力の絶対最大定格±30Vはいかなる場合も超えることは許されません。


ボードアドレスの設定

本ボードでは、PC-9801のI/Oポートアドレスを4アドレス占有(使用)します。 本ボードが使用するI/Oポートアドレスはディップスイッチで任意に設定でき ます。ボードアドレスの配置方法は、

 ・連続アドレス配置 (I/O ポートアドレスの偶数/奇数アドレスを使用する)
        例00D0H,00D1H,00D2H,00D3H
 ・偶数アドレス配置 (I/O ポートアドレスの偶数アドレスを使用する)
        例:00D0H,00D2H,00D4H,00D6H
 ・奇数アドレス配置 (I/O ポートアドレスの奇数アドレスを使用する)
        例:00D1H,00D3H,00D5H,00D7H

のいずれかを選択する事が出来ます。
出荷時は、8ビット偶数アドレス配置に設定されていまので、以下の様にポートアドレスが割り付けられます。

I/Oアドレス書き込み時(I/O WRITE) 読み込み時(I/O READ)
00D0H
00D2H
00D4H
00D6H
12ビット変換開始
8ビット変換開始
チャンネル選択
予約(使用不可)
下位4ビットデータ+EOC
上位8ビットデータ
使用不可
予約(使用不可)

・下位4ビット+EOCポート詳細(I/Oリード)

・上位8ビットポート詳細(I/Oリード)

・チャンネル選択ポート詳細(I/Oライト)

・変換開始ポート(I/Oライト)

A/D変換開始はI/Oポートへの書き込みによって行われます。12ビット精度での変換の場合と8ビット精度での変換では書き込むポートが異なります。A/D変換開始は指定のポートへのI/Oライト動作によって行われ、このときのデータは使用されないので何であっても構いません。


変換の高速化

12ビットA/Dコンバータを8ビット分解能で使用する事によって変換時間を高速化することが出来ます。
AB98-30BのA/D変換の分解能は標準で12ビットですが、ショートサイクル機能により分解能を下げて、変換スピードを上げる事ができます。
ショートサイクル機能とは、12ビットすべて変換する前に変換を中断する機能です。逐次変換方式では、中断前までの変換データは正しい変換値です。
本ボードでは、ソフトウェアにより8ビットのショートサイクルを使用する事ができます。この場合の変換時間は

   8ビット時  15μs(平均)

となります。
12ビット分解能と8ビット分解能の切り換えは「変換開始」ポートによって自動的に行われ、「8ビット変換開始ポート」に書き込みを行うことによって、8ビットでの変換がおこなわれます。
8ビットのショートサイクルを使用した場合、データは上位データポート(8ビット)のみ有効で、下位データは意味を持ちません。この時、下位データポートはEOCの確認ポートとしてのみ使用します。


外部との接続

信号源との接続は付属のRCAプラグもしくは以下の型名のコネクタを使用し同軸ケーブルで接続します。

サトーパーツ CN-7017または相当品

・基板側コネクタ:ワカ製作所 RCAジャックまたは相当品

信号の接続

信号源との接続は付属の同軸ケーブルで行うか、自作します。グランド(GND)入力はチャンネル毎にありますが、内部では全て同一グランドに接続されていますのでグランド・レベルの異なる信号源を測定する事は出来ません。また、信号源のインピーダンスが高いと測定誤差やクロストークの原因となりますので、できるかぎり信号源のインピーダンスは低くなるようにし、ケーブルは必要最小限の長さで使用してください。

接続例1 一芯同軸ケーブル使用時の接続

接続例2 二芯シールドケーブル使用時の接続


変換データの取り込み

A/D変換、データの取り込みは全てソフトウェアで行います。

変換データの取り込みフローチャート


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