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テクニカルQ&A
■ASB-3000

 ASB-3000 ソフトウェア開発キット[SDK]についてはこちら

Question  
Q1. ASB-3000の仕様にリアルサンプリングモードと等価サンプリングモードがありますが、その違いを教えて下さい。
Q2. 133MHZのCLKの測定をしたいのですが、可能ですか?
Q3. 「USBバスと測定端子のGNDは非絶縁」というのはGNDが共通ということですか?
Q4. プローブのGNDは、PCのGNDとアイソレーションされていますか?
Q5. PCへの接続台数(複数台使用する場合はどのような構成になるか)を教えて下さい。
Q6. 商用電源コンセント(単相AC100V)の電圧を測定することは可能でしょうか?
Q7. 例えばFETのGate-Vcc間の電圧を測定することは可能ですか?(Vcc=DC24V)
Q8. 使用時最大入力電圧は何Vですか?
Q9. 重量はどのくらいありますか?
Q10. サンプリングレートは1chでは200MS/sですか?
Q11. メモリ長が100k/chとの事ですが、2ch同時だと50k/chでしょうか?
Q12. トリガー信号に対して波形取り込みを自由(0-1msec程度)に遅らせる機能として、ディレイ測定は可能でしょうか?
Q13. 「ロールモード」の用語は一般的でないので、具体的に教えて下さい。
Q14. アクイジョンモードのエンベロープは、多重書きのことでしょうか?
Q15. ワンショットのセンサー信号(急に立ち上がって直ぐに振動減衰する信号)を捕まえてオシロの中心に表示するようなトリガモードはありますか?信号の立ち上がる少し前から信号を観測したいのです。
Q16. カタログに「垂直軸分解能 1024ポイント(10ビット)または512ポイント(9ビット)」とありますが、この分解能の切替が必要という事ですか?或いはソフトウェア的に指定・切替が可能と言う事でしょうか?
Q17. 減衰率1:100のプローブは使用可能でしょうか。
Q18. 「周波数低域制限」について教えてください。20MHzのローパスフィルターがあるという意味でしょうか。
Q19. 波形データを保存する際の、具体的な保存先とデータのフォーマットについて教えてください。
Q20. ASB-3000には印刷機能があるのですか。
Q21. 等価サンプリングで波形表示させ”保存”すると、データ列内に"NULL"が多く混ざり波形解析に支障があります。回避する方法はないでしょうか。
Q22. EXT-TRGの電源は供給する必要があるでしょうか。
Q23. EXT-TRG入力は、+2.5V〜-2.5Vの範囲で電圧入力とありますが、0-5Vでも可能でしょうか。
Q24. ASB-3000はリアルタイムでも波形の観測は可能ですか。あるいは一度記憶してからでないとみられないのですか。
Q25. サンプリングしたデータをCSVフォーマットで保存する場合、ファイルサイズの制限はありますか?
Q26. 1ch測定の場合と2ch同時測定の場合で、保存するファイルサイズに差はありますか?
Q27. データロガーのように連続してデータを取り込みたいのですが可能でしょうか。
Q28. 繰り返し信号のアベレージを自動的に実時間で演算表示する機能は装備されているでしょうか。
Q29. Averageの設定で、”設定回数2〜512回”とありますが、これは移動平均する回数でしょうか?
Q30. 測定画像を保存するにはどのような方法が有るでしょうか。


ASB-3000ソフトウェア開発キット(SDK)
Q1. 専用のアプリケーションが添付されているようですが、VB,VC等を使用して自作のアプリを作る事は可能ですか?やりたい事はトリガ割り込みでデータをサンプリングしたいのです。
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Answer  

A1. ASB-3000の仕様にリアルサンプリングモードと等価サンプリングモードがありますが、その違いを教えて下さい。

 リアルサンプリングは最大100MHzのサンプリングレートとなります。単発信号を捉える場合にご使用ください。
 等価サンプリングでは、繰り返し入力される信号に対して、波形データを取り込むごとにサンプリング・クロックとトリガ点の時間差を測定し、この時間に相当する分、波形の表示位置をずらして重ね書きします。これにより、実際のサンプリング周期(100MHz)よりも高い時間分解能で信号を観測することができます。

A2. 133MHZのCLKの測定をしたいのですが、可能ですか?

 周波数帯域200MHzは振幅が-3dB(約70%)に減衰する時の周波数です。通常、波形を正確に観測したい場合は、周波数帯域(200MHz)の1/3〜1/5の周波数が上限とされています。ただ、それほど精度を重視しない場合は133MHzも観測可能です。

A3. 「USBバスと測定端子のGNDは非絶縁」というのはGNDが共通ということですか?

 はい。その通りです。

A4. プローブのGNDは、PCのGNDとアイソレーションされていますか?

 ASB-3000はプローブのGNDとPCのGNDはアイソレーションされておりません。大電流が流れる可能性がある測定対象の場合は、予め測定対象物のGNDとPCを接続した状態のプローブのGNDとの間に電位差が無いことをお確かめ下さい。

A5. PCへの接続台数(複数台使用する場合はどのような構成になるか)を教えて下さい。

 製品添付のアプリケーション[MagicScope]では1台のみになります。ユーザーがアプリを作る為のAPI[ソフトウェア開発キット(SDK)]では複数接続に対応しています。但し、ハード的には機器間の同期を取ることができないため、サンプリングスタートは非同期になります。また外部トリガ等で同期は可能ですが、各々の機器は自分のCLKでサンプリングする為、サンプリング時間によっては機器間に無視できない程のずれが生じます。

A6. 商用電源コンセント(単相AC100V)の電圧を測定することは可能でしょうか?

商用電源を測定する場合、プローブを2本使用した差動測定をお奨めします。もしくは市販の差動プローブを使用してください。電源ラインにプローブのGNDを接続すると、過電圧による故障や事故の原因になる場合がありますので注意してください。

A7. 例えばFETのGate-Vcc間の電圧を測定することは可能ですか?(Vcc=DC24V)

  この場合、プローブのGNDをFETのGateに接続しますが、測定対象の基準(GND)がASB-3000のGNDと切り離されている場合は測定可能です。測定対象のGNDとASB-3000のGNDが共通になっている場合、プローブのGNDを測定対象のGND以外の電位に接続すると貫通電流が流れ、装置の破壊の原因になります。そのほかに差動プローブを使用する、2chを使用した差動測定をする、PCを電池で駆動させ、測定対象と絶縁する等の方法があります。

A8. 使用時最大入力電圧は何Vですか?

 それ以上入れると故障の原因になる電圧は、ASB-3000本体が50Vです。プローブを使用している場合、プローブの耐圧にもご注意下さい。プローブを×1で使用する場合はどちらか低い方に制限されます。 プローブを×10で使用する場合、そのプローブの耐圧が制限となります。通常400V〜600Vですが、お手持ちのプローブをご確認ください。 可能な最大電圧は、10:1プローブを使用した場合、最大は20V/divなので、画面上では最大160Vp-pの波形が観測可能です。

A9. 重量はどのくらいありますか?

 本体が約280gです。

A10. サンプリングレートは1chでは200MS/sですか?

 リアルサンプリングでは2ch同時で100MS/sが最高です。

A11. メモリ長が100k/chとの事ですが、2ch同時だと50k/chでしょうか?

 メモリ長は2ch同時でも100kとなります。なお、サンプリングは常に2ch同時となります。

A12. トリガー信号に対して波形取り込みを自由(0-1msec程度)に遅らせる機能として、ディレイ測定は可能でしょうか?

 可能です。設定範囲及び分解能はTime/divにより異なりますが、最小でも0〜40msの設定が可能です。

A13. 「ロールモード」の用語は一般的でないので、具体的に教えて下さい。

 「ロールモード」は一般的にオシロスコープメーカーが呼んでいる用語ですが、「スクロールモード」と同じ意味です。

A14. アクイジョンモードのエンベロープは、多重書きのことでしょうか?

 製品添付のアプリケーション[MagicScope]では、波形表示の際間引かれて表示されない波形がある場合でも、全ての波形を表示する機能となります。多重書きではありません。

A15. ワンショットのセンサー信号(急に立ち上がって直ぐに振動減衰する信号)を捕まえてオシロの中心に表示するようなトリガモードはありますか?信号の立ち上がる少し前から信号を観測したいのです。

トリガレベルを立ち上がる波形の半分程度に設定し、トリガポジションを波形表示画面の中心に設定する事により実現できます。

A16. カタログに「垂直軸分解能 1024ポイント(10ビット)または512ポイント(9ビット)」とありますが、この分解能の切替が必要という事ですか?或いはソフトウェア的に指定・切替が可能と言う事でしょうか?

 垂直分解能は、選択したVolt/divにより各チャンネル毎に決まります。プローブタイプが×1の場合、50mV/divと500mV/divが9ビットとなり、それ以外は10ビットとなります。

A17. 減衰率1:100のプローブは使用可能でしょうか。

 パッシブプローブであれば通常使用可能です。オシロ側容量調整範囲に28pFが含まれている事が必要です。高電圧を扱われる場合は、取り扱いにご注意願います。
 オプションとして、1:100のプローブ2本セット(ASB-3000/P100 )を用意しています。

A18. 「周波数低域制限」について教えてください。20MHzのローパスフィルターがあるという意味でしょうか。

 はい、約20MHzのローパスフィルタとなっています。 また、20MHzのローパスフィルタをOFFにすると、200MHz(-3dB)の帯域になります。

A19. 波形データを保存する際の、具体的な保存先とデータのフォーマットについて教えてください。

 保存先はドライブと認識されるストレージデバイスで、形式はCSVとなります。フォーマットについての詳細はマニュアルを参照してください。

A20. ASB-3000には印刷機能はありますか。

 製品添付のアプリケーション[MagicScope]では、波形表示イメージを直接印刷する機能はありません。BMP/JPG形式で波形表示イメージを保存する機能はありますので、そのデータを印刷していただくことになります。  BMP/JPG形式で保存するには、[ファイル]−[保存]メニューで表示されるダイアログボックスの[ファイルの種類]を「BMP files」または「JPG files」に変更し、[保存]ボタンをクリックします。

A21. 等価サンプリングで波形表示させ”保存”すると、データ列内に"NULL"が多く混ざり波形解析に支障があります。回避する方法はないでしょうか。

 ASB-3000では、等価サンプリングの方式にランダム等価サンプリング方式を採っています。その為、繰り返しのサンプリングごとにランダムにデータが埋まります。シングルでは200回サンプリングし、自動で止まりますが、ランダムの特性上均等にデータが埋まらない場合もあります。ノーマルでサンプリングし、シングルでかかる時間よりも長くサンプリングすると、その分NULLが比較的少なくなります。NULLの文字自体を無くしたい場合は置換で編集をお願いします。なお、サポートソフトウェア Release 2.00以降ではこの現象は発生しません。

A22. EXT-TRGの電源は供給する必要があるでしょうか。

 ASB-3000本体に関しては、電源は供給する必要はありません。 外部トリガはCH1,CH2と同様に任意の波形を入力してください。プローブを接続しても構いません。 ただし、外部トリガは+2.5V〜-2.5Vの範囲となりますので、この範囲内でトリガレベルを設定してください。なお、10:1プローブを接続した場合は外部トリガは+2.5V〜-2.5V入力となります。

A23. EXT-TRG入力は、+2.5V〜-2.5Vの範囲で電圧入力とありますが、0-5Vでも可能でしょうか。

 外部トリガ入力も、他のチャンネル同様50Vまで入力可能です。その際、トリガレベルは1V程度〜2.5Vの間で設定してください。

A24. ASB-3000はリアルタイムでも波形の観測は可能ですか。あるいは一度記憶してからでないとみられないのですか。

 ASB-3000は通常のデジタルストレージオシロスコープの様に、ASB-3000内部のメモリへリアルタイムで保存され、その内容が随時波形表示されます。
そのため内部動作的には一度記憶してから波形を表示しますが、メモリへの保存から表示までは数10ミリ秒程度の遅延となります。その遅延は通常あまり問題とされませんので、リアルタイムであるといえます。
また、ASB-3000にはA/Dの最高サンプリング速度を上回る周期でのサンプリングが可能な、等価サンプリング機能がありますが、そのモードではリアルタイムではなくなります。

A25. サンプリングしたデータをCSVフォーマットで保存する場合、ファイルサイズの制限はありますか?

 1回に保存されるデータは、ASB-3000の設定メモリ分となりますので、メモリサイズ=10kでは約300KB、メモリサイズ=100kでは約2.8MB程度のディスク空き容量が必要となります。

A26. 1ch測定の場合と2ch同時測定の場合で、保存するファイルサイズに差はありますか?

 1chの場合は2chに比べて半分強の容量となります。

A27. データロガーのように連続してデータを取り込みたいのですが可能でしょうか。

 ASB-3000添付のアプリケーションソフト、MagicScopeでは、ロールモードにすることにより、データロガー的に連続した波形が表示されます。但し、保存は一度サンプリングを停止させた後、手動で行う必要があります。保存は、設定させたメモリサイズ分単位となります。
 DASYLab9.0Jと組み合わせることにより、自動保存での連続サンプリングが可能となり、データロガー的な使い方が可能となります。 ただし、ハードウェア的に連続でサンプリング可能な速度に制限がありますので、ご注意ください。
 詳しくはDASYLab9.0Jのページ
 http://cpi-tec.jp/adtek/seihin/dasylab/index.html
 をご覧ください。

A28. 繰り返し信号のアベレージを自動的に実時間で演算表示する機能は装備されているでしょうか。

 MagicScopeの設定でアベレージをオンにした場合、入力波形を複数回取り込み,同じサンプル点の波形データを合計して,そのサンプリング点のデータの移動平均値を実時間で求め、かつ表示をしています。
アベレージを行った場合、観測したい繰り返し信号に対しては信号に影響を与えず、信号に含まれるランダムノイズを除去する効果があります。平均化の回数が多い程ノイズ除去効果は大きくなりますが、波形が変化した時のレスポンスは悪くなります。

A29. Averageの設定で、”設定回数2〜512回”とありますが、これは移動平均する回数でしょうか?

 MagicScopeの機能であるアベレージは、通常用いる移動平均は使用しておりません。 (通常用いる移動平均とは、時間軸的に連続した数点の値を加算し、その平均を中心の値とする手法です。)
MagicScopeでは波形を何度も取り込み、同じサンプリングポイント同士を加算し、その平均を出します。そのため、n回の移動平均(設定回数n回)では最低n回のサンプリングが必要です。また、このアベレージが正しく機能する為には、毎回トリガが掛かり、 波形も都度一様である必要があります。

A30. 測定画像を保存するにはどのような方法が有るでしょうか。

 MagicScopeでBMP/JPG形式で保存するには、[ファイル]−[保存]メニューで表示されるダイアログボックスの[ファイルの種類]を「BMP files」または「JPG files」に変更し、[保存]ボタンをクリックします。サンプルはこちらで、設定情報も表示します。

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